秋も深まり、一年も終わりに近づいてきました。
今年は、4月に発生した熊本地震を始めとし、
最近では、10月に鳥取地震が発生するなど、
各地で大きな地震が相次ぎました。
被害の大きかった地域では、
生活の再建に苦労されている方々が、
まだ、たくさんいらっしゃいます。
当コラムでは、頻発する地震への備えとして、
「建物」にかける地震保険について
その必要性や詳細を掲載してきましたが、
今回は、「家財」にかける地震保険について
検証していきたいと思います。
Contents
◎「家財」にかける地震保険とは
「家財に地震保険をかけていますか?」と聞かれて
「もちろん、かけています」と答える方は、
決して多くはないでしょう。
家財にかける保険には、
「家財火災保険」と「家財地震保険」の2種類があります。
一戸建てで、「家財火災保険」をかけている世帯数は、
火災保険加入世帯数の60%弱。
「家財地震保険」に加入している世帯数は、
さらに少ないと言われています。
しかし、地震保険をよく調べてみると、
最も有効に活用できるものは、
この「家財地震保険」である、と言えるかもしれません。
その理由は、「家財地震保険」の損害認定基準にあります。
家財地震保険の損害認定基準
建物の地震保険に、損害認定の基準があるように、
家財の地震保険にも、もちろん基準があります。
以下の表を参考に、損害認定の例を見ていきましょう。
査定時は、まず家財をA~Eの5種類に分類化します。
それから、それぞれの分類の中で、さらに細分化した品目に分け、
損害が生じている品目数を数えます。
(例えば、割れているお皿が、一枚であっても五枚であっても、
カウントは「食器が1品目」です。)
その数によって、分類ごとの割合(%)が決まります。
分類ごとの割合(%)を合算した合計が、損害認定の基準となります。
重要な点は、査定の基準となるのはあくまでも、
損害が生じた品目が「いくつか?」であって、
損害が生じた個々の「値段」や「購入時期」は、関係がないということです。
また、損害査定には「使用が不可能」ということが
定められているわけではないので、
目立った「傷」や「汚れ」などでも、カウントされる場合があります。
仮に、E(衣類・寝具類)以外のA~Dの4種類のうち
それぞれ3品目ずつが損害認定を受けた場合、
上記の表で計算すると
A(3%)+B(7.5%)+C(12%)+D(7.5%)
合計30%となり、
「半損」の認定を受けることになります。
※衣類・寝具類の損害認定は、複雑な為、ここでは説明を省きます。
※上記表の損害割合の数値は、参考値です。
見直されることもありますので、詳しくは、保険会社に確認下さい。
建物の地震保険との違い
家財地震保険と建物地震保険との違いは、
上記の「認定基準」の違いに尽きます。
阪神淡路大震災で全壊した家屋や
東日本大震災で津波で流された多くの家屋に
「全損」という認定がされました。
一方、建築技術により耐震を強化し、
津波の被害がなかった熊本地震などでは、
建物は「一部損」の認定を受け、
家財は「半損」の認定となった世帯が多かったことが
わかっています。
実際に支払われる例
それでは、実際にどのように支払われるのでしょうか。
例えば、建物に保険金額1,000万円の地震保険をかけ、
一部損の認定を受けた場合、
支払われる保険金は5%の50万円。
これに対して、家財に保険金額150万円の地震保険をかけ、
半損の認定を受けた場合は、
支払われる保険金は50%の75万円となります。
あくまでも一例ですが、ひとつの目安として
知っておいて損はないかと思います。
被害認定の際には、被害をしっかり申告することが重要です。 正確に伝えることが難しい場合、可能であれば、 スマートフォンやデジタルカメラ等で、 被害状況を撮っておくことをお勧めします。 |
◎まとめ
地震保険については、今回の家財も含めて
3回にわたり検証してきましたが、いかがでしたでしょうか。
地震の被害に対して、
建物や家財の地震保険にしっかり加入していても
100%完璧に備えることは難しいことです。
又、査定や認定で、納得できない場合もあるでしょう。
しかし、繰り返しお伝えしてきましたが、
「地震保険」の目的は、
あくまでも「被災者の生活の安定に寄与するもの」です。
そのことをよく認識し、保険内容を十分に理解した上で、
加入することが重要ではないかと思います。
埼玉の不動産、ハウス壱番館の島野でした。^^